効率よりも、"美味しく育つ環境"を優先し、
日々田んぼと向き合う米農家市川さんの想い
市川ライスセンター / 長野県佐久市
市川 裕也 さん
農家歴15年 / 管理面積60町(約600,000㎡)
大学卒業後、一般企業に就職する予定でしたが、お父様が亡くなられたことをきっかけに地元へ戻り、代々続く米農家を継ぐ決意をされました。農業はお祖父様から教わってこられました。昔気質のとても厳しい方で、そのもとでの日々は決して楽なものではなく、スパルタ具合に仕事中倒れられたこともあったとのことです。
そのお祖父様が亡くなるとき、看取りながら最後に受け取った言葉が「頑張れよ」というひと言でした。市川さんは、今後自分が中心となり、家業を運営し拡大していく決意をしました。
あれから15年。高校の先輩や地域の仲間たちと力を合わせながら、今では60町もの田んぼを管理するまでになりました。規模を大きくするだけではなく、「美味しいお米をつくり続けること」と「生きものが育つ環境を次の世代に残すこと」。その二つを、市川さんは大切にしています。
また、幼いころ当たり前のように見ていた蛍を、もう一度この場所に取り戻したいという想いもお持ちです。それも、市川さんのお米づくりの原点のひとつです。
私の田んぼでは、化学肥料は使わず、100%有機肥料で土づくりをしています。これは一朝一夕でできるものではなく、何年もかけて、少しずつ土質を整えてきた結果です。
さらに毎年、その年の土の状態にあわせて肥料の配合を細かく調整しています。私がこだわっているのは、稲作に適した「粘土質の土」。正直に言うと、粘土質の田んぼは機械への負担も大きく、作業もしづらい。それでも、お米にとっては最高の環境なので、ここは妥協しません。
私は、「育苗が稲作の8割」だと思っています。だから、苗づくりには一番、時間をかけます。根がしっかり張った苗は、収穫のとき、必ず美味しいお米を実らせてくれます。苗の段階から、毎日、私自身が管理をします。
プール育苗を取り入れ、水温を細かく管理し、あえて寒暖差をつくる。そうすることで、1本1本が太く、しっかりとした苗に育ちます。
さらに、特別栽培米にも「有機苗」を使っています。有機苗は、厳しい環境で育つ分、根の張りがまったく違います。最後まで、力強く育ってくれる。だから、有機苗で育ったお米は、品質が良く、味も安定するんです。
田んぼには、カエルやトンボが棲んでいます
― 特に、田植え後の1ヶ月 ―
田んぼの管理で、一番神経を使うのが田植え後の1ヶ月です。この期間は、正直、かなりシビアです。水深は常に約5cm。有機栽培では農薬が使えません。だからこそ、雑草対策の要となるのが水の管理です。
毎日同じ景色を見ているようで、実は一日として同じ日はありません。稲の色、張り、水の動き、土の状態。小さな違和感を見逃さないことが、結果として味の安定につながっています。
私たちが効率よりも優先していること。
このお米は、決して「特別なこと」をしているわけではありません。省ける工程でも、省かない。効率が悪くても、味につながることを優先する。その選択を、毎年、毎作、積み重ねています。
スマート農業が広がって、お米づくりはどんどん効率的になっています。でも一方で、手をかける理由や、稲と向き合う時間が薄れていく可能性もあると感じています。私たちのやり方は、正直、効率はよくありません。言ってしまえば、愛情と手間をかける「昭和のやり方」です。それでも、稲の変化を自分の目で見て、触って、感じて育てることが、味につながると信じています。
生きもの田んぼのお米
農薬・除草剤・化学肥料を一切使わず、生きものが豊富に生息する田んぼで収穫されたお米です。循環型農法により、環境にも体にも優しいお米が育まれます。
生きもの田んぼが、未来を変える
このお米を選ぶことは、日本の食の未来を守ること。農薬に頼らない農業が広がることは、今の子どもたちの食卓を守ることにも繋がっています。
特別栽培米
市川さんの特別栽培米は、化学肥料を一切使わず有機肥料で土づくりをしています。農薬は苗づくりでは使わず有機苗にしており、本田に代掻き後に除草剤1回1成分、田植え同時で除草剤3成分と殺菌剤2成分の合計6成分を使用しています。
「特別栽培米」を見る →※市川さんのお米は有機JAS認証は取得しておりません。認証手続きよりも、日々田んぼと向き合いたいという想いがあるからです。栽培の事実に責任を持ち、お届けしています。