生きもの田んぼのお酒 市川

ゆうき販売株式会社は「生きもの田んぼのお米」や「生きもの田んぼのお酒」のことをWEBから発信し、 「生きもの田んぼ」の拡大を達成することで、日本文化の継承と、環境改善を目的とし活動しています。

最高級の、農薬不使用、有機肥料のみで栽培したコシヒカリ(食用米)で、日本酒を醸したい。
そして、その日本酒をきっかけに、その農法や生産者を拡げていきたい。

生きものがいる田んぼ(生きもの田んぼ)を増やすことで、日本の美しい田んぼがある原風景を取り戻し、今後未来に向けてその原風景を継続していきたい

そのためには、生産者が高品質の米を生産し、その米で地元の酒蔵、地元の水で醸す酒を造り、品質に見合った対価を得ることが必要です。
それが実現することで、生産者、酒蔵、「生きもの田んぼ」やその農法の価値が見直され、既存の有機栽培米とは違い、手間のかからない「稲の生理に基づく成苗稲作」の導入、拡大を加速させることができます。私たちが出会った最高の生産者、農法、酒蔵で醸す日本酒を皆さんに楽しんでいただきたいと思っています。

米農家 市川裕也さん
伴野酒造 六代目蔵元兼杜氏 伴野貴之さん
~日本の稲作の現状に関して~

日本には2千年以上とも言われる稲作の文化があり、稲作と共に文化を発展させ、生活を営んできた歴史があります。また、水田は多くの生きものの住処でもあり、洪水の防止、水資源のかん養、有機性廃棄物の分解、水質の浄化など、環境を維持するための様々な役割があります。

近年、食生活の欧米化や少子化傾向により、米の消費量が減少し、それに伴い日本の田んぼも減少の一途を辿っています。このままでは、生産者がいくら良い物を作っても、販路の拡大は見込めず、やりがいを失い、将来への希望を持てません。日本が世界に誇る美しい田園風景、稲作技術が失われていくのは、日本が、日本人が、アイデンティティを失う事と同義だと思うのです。

私たちが出会った「生きもの田んぼ」の稲は、農薬や化学肥料の力を借りず、自分の力で成長し、異常気象や台風にも負けず、逞しく実ります。この「生きもの田んぼ」の面積が増えれば増えるほど、地球環境の保全や稲作文化の継承に繋がり、さらには、良質な米の需要増加で生産者がやりがいを持って農業に従事することができると思っています。

ゆうき販売株式会社は、この「生きもの田んぼ」で育ったコシヒカリを原料に最高の日本酒を醸し、「生きもの田んぼ」やその生産者の素晴らしさを知ってもらう事を目的とします。

日本が世界に誇る稲作という文化や、
美しい景観を次世代につなげていくために、
「生きもの田んぼのお米」の生産者の日本酒作りを推進したい

今回日本酒造りに至るまでの道のりを少し聞いてください。

2001年、創業間もないゆうきは、埼玉県杉戸町にて農薬・除草剤不使用で、なおかつ有機肥料のみを使い稲作に取り組んでいる網本さんと出会い、稲の生理に則った農法に共感し、「生きもの田んぼのお米」の販売を始めました。

2013年には、青果物の産地直送販売を行う「ゆうきや」を開業しました。ゆうきやでは、自社冷蔵トラックで産地まで直接伺って仕入れた、どこよりも新鮮な農産物を取り扱っています。

ゆうきやの定期便

「ゆうきや」の高原野菜を仕入れに長野県佐久市へ伺う中で、野菜の生産者から市川さんをご紹介いただいたところ、お米の品質がとても良く、また、農薬不使用の稲作に高い関心を持ってました。
そこで、2018年に網本さんの協力のもと、市川さんの田んぼにて無農薬、かつオリジナルの有機肥料を使用した稲作に挑戦しました。
網本農法は、市川さんの田んぼでも素晴らしい効果を発揮しました!

「生きもの田んぼ」のお米、農法について

網本さんの農法では、農薬・化学肥料・除草剤を使わない栽培に適した力強い苗を育てるために、ハウスではなく露地で育苗します。そして、4枚半葉っぱが出た成苗(大人の苗)まで育ててから田植えをします。そうすることで、雑草、病害虫に負けない強い稲が育ち、強い苗だからこそ、農薬、化学肥料、除草剤に頼らない稲作が可能になります。
(普通の農法では2枚半葉っぱが出た稚苗で田植えをします。稚苗だと、育苗期間を短縮でき、低コスト化できますし、一般的な田植え機はすべてその仕様です。しかし、それでは苗自体の体力が乏しく、農薬をはじめとした人間の補助が必要となります。)

網本欣一さん
大人の苗(成苗)を植えます。

さらに、田んぼに動物性の肥料を使わず、田んぼでとれたものを田んぼに還す意味も込めて、米ぬか、もみ殻、わら、おからを微生物で発酵肥料にし、田んぼに戻します。そうすることで、雑味のない美味しい稲が育ちます。「生きもの田んぼのお米」の栽培を、長野県佐久市の市川さんの田んぼで成功できたことは、日本酒造りへの大きな弾みとなりました。

市川さん自身、「生きもの田んぼ」を始めて初年度、そして2年目と、農薬・化学肥料・除草剤に頼らず力強く健康に育つ稲と、どんどん増える田んぼの生きものに、確かな手ごたえを感じています。

市川裕也さんについて

高校時代の市川さん

「これまでの人生、野球と農業のことしかやっていません」という市川さん。

高校時代に負った大きな怪我を乗り越え、大学まで野球を続けられました。今は息子さんの少年野球の指導を行われています。 

農業に関しては、最初お爺様から仕事を教わったそうです。昔気質の厳しい方だったそうで、お爺様が亡くなるまでの3年間は、胃に穴が空くほどの辛い時期だったそうです。実際に仕事中倒れられたこともありました。お爺様が亡くなられるとき、看取っていた市川さんへ、「頑張れよ」と最後の言葉を伝えられたそうです。市川さんは、今後自分が中心となり、家業を運営し拡大していく決意をしました。

それから努力を重ね、経験を積みながら規模を拡げていきました。
今では60町の田んぼを管理する、スーパー米農家です。ただ、ある時、規模を大きくする以外の目的がない状態に陥ったそうです。
そんな折、ゆうき販売株式会社の荒井と出会い、網本さんの話を聞いて感銘を受け、勇気を持ち農薬・除草剤不使用、無化学肥料の稲作を始めました。2年目の「生きもの田んぼのお米」の出来も、大変素晴らしい出来です。
今後、田植えや収穫体験のイベントも行って、多くの人に「生きもの田んぼ」の素晴らしさを広めていきたいと思っています。

田植え直後に水を張ったところ。
これまでの栽培方法では入り口付近に藻が出る事はあったが、生きもの田んぼには均一に藻が出ました。藻が抑草効果を発揮します。

「コナギ」という雑草(繁殖力が強く、土の栄養分をたくさん吸ってしまうので、イネの生育にも大きな影響を及ぼします。)が、田んぼ内部には侵入できず、畦でその繁殖を止めています。稲そのものが雑草を寄せ付けずに逞しく生育している証拠です。 

市川さんの目標は、田んぼにたくさんのホタルを再現することです。ホタルの幼虫は、水質の良い場所でしか生きられません。「生きもの田んぼ」の面積を増やすことによって、原風景を取り戻すことは、私たちの共通の目的になりました。生きものが当たり前に住む田んぼで米を栽培し、その米で酒を醸す。日本の原風景である農業が起点となり、地場の蔵元が栄える。当たり前であったことを私たちは再現するお手伝いを致します。そして日本文化の継承に貢献いたします。

また、「規模の拡大だけではなく、美味しいコメを栽培することはもちろん、生きものが育む環境を次世代に繋げていくことを行えることが何よりも楽しい

と市川さんは話してくれました。まさに私たちの想いがひとつになった瞬間でした。

目的を達成するためには、多くの人にこの素晴らしい農法や美味しいお米を知ってもらう必要があります。そのためのきっかけにと考えたのが、「生きもの田んぼのお米」を使った日本酒造りでした。

市川さんに日本酒造りを提案したところ、是非にと快諾してくれました。そして、同じく佐久市で酒蔵を営む創業120年の伴野酒造を紹介していただきました。

~伴野酒造、伴野さんとの出会い~

伴野酒造事務所外観
伴野酒造 六代目蔵元兼杜氏 伴野貴之さん

市川さんと私で伴野酒造を訪れ、蔵元兼杜氏の伴野さんからお話を聞く中で、大変印象深い言葉がありました。

「酒造りのこだわりってよく聞かれますけど、まあ、全部ですよね。
自分の哲学、自分のスタイルで、美味しいと思う酒を造る為に、無数にあるひとつひとつの工程を、とにかく丁寧に行うことです。当たり前ですけどね。

 醸し出すまさに「職人」のオーラに、なんてかっこいいんだろうと。シビれました。

日本酒の消費量は年々減少傾向で、酒蔵もそれに伴い減少しています。

現状に危機感を持つ一人の杜氏として、生きもの田んぼの醸造を快く決断してくださいました。

また、飽きが来ずにずっと食べられる美味しさ、おかずに合う美味しさを市川さんが目指している。というお話をしたところ、伴野さんも、まさに私もそういう気持ちで酒造りをしているという話の流れから、この日本酒プロジェクトは絶対うまくいくと確信めいたものが私の中で生まれました。

ここに佐久地域の日本酒テロワール(※その地域で生産された米、地域の水を使った日本酒生産) が完成し、地域を盛り上げていくイメージも湧きました。

□精米「55%に精米した生きもの田んぼのお米(コシヒカリ)」
□洗米「米を洗います」
□蒸米「米を蒸しているところです」
□麹造り「麹ももちろん市川さんの生きもの田んぼのお米から造ります!」
□仕込み「添え仕込みの様子。※添、仲、留とある三段仕込みの最初の段階」
□もろみ「もろみ3日目、発酵の様子が見てとれます」
「もろみ5日目。もろみ表面に全体的に泡が見られます。日ごとの成分分析で、酒米ではないから溶けにくいと不安視されていた部分も問題なし!」

完成!!

こんな日本酒、どうですか?呑んでみたいと思いませんか?ワクワクしますよね。

美しい田園風景を想像し、日本酒を是非お嗜みください。そして、酒の原料となったお米も食べてみてください。「生きもの田んぼ」や生産者、酒蔵の素晴らしさを感じて頂けましたら嬉しく思います。